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【読書メーター】9月度読了分のまとめ

10月になりました。9月中に読了した書物について、読書メーターでまとめましたので、以下に掲載します。

 

9月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:4385
ナイス数:1108

科学者が人間であること (岩波新書)科学者が人間であること (岩波新書)感想
【1回目】かつて(90年代?)よく読んで大いに刺激を受けていた中村先生の健在ぶりと、いい意味での「変わらなさ」を印象づけた1冊。大森荘蔵宮澤賢治南方熊楠らに依りながら、科学を否定せずに科学を「越える」ことへの試みが綴られる。科学者が人間であり、その人間は「生きもの」として自然の中で生きているという生活者と思想家の側面を手放さないことが不可欠であり、西洋(分析)はダメだから東洋(総合)、というような乱暴な議論をしていてはいけないとする。ナイーブな書ではあるが、広く読まれるべき一書であると思う。
読了日:09月01日 著者:中村 桂子


こころの病に挑んだ知の巨人 (ちくま新書)こころの病に挑んだ知の巨人 (ちくま新書)感想
【1回目】それぞれに単著が必要なほど業績のある5人について俯瞰した「おトク」感にひかれて読み始めた。しかし5月半ばで一旦挫折し、中断を挟んでようやくの読了となった。率直に言って難しかった。どの一人をとっても、少なからぬ縁があるにも関わらずだ。現今のこころの治療とは、脳の器質障害に還元され、あたかも修理するかのように薬物が処方されていると言ってよいだろう。しかし、そこには人間についての深い理解が欠如しているとは言えまいか。この本は深い洞察に満ちた治療論と人間論とを展開している5人を紹介したものである。
読了日:09月02日 著者:山竹 伸二


トラウマの現実に向き合う:ジャッジメントを手放すということ (創元こころ文庫)トラウマの現実に向き合う:ジャッジメントを手放すということ (創元こころ文庫)感想
【1回目】必要があって手にした。自分もまたトラウマ(的)体験をもっていたことが痛切に思い返された本だった。
読了日:09月04日 著者:水島 広子


トラウマ (岩波新書)トラウマ (岩波新書)感想
【1回目】水島広子さんの本に続けて読んだ、トラウマ関連の本の2冊目。まさかそのものズバリのタイトルで岩波新書が出ているとは思わなかった。感想は、頭を冷やさないと書けそうにない。▼180916追記。自分にもトラウマ的体験があったらしい。つまり、単なるストレスであるより、トラウマとして考えた方が辻褄が合うことがあったことが思い起こされた。当事者が読むには辛いかもしれないが、サポートできる親近者が読むといいかもしれない。
読了日:09月06日 著者:宮地 尚子


科学的に元気になる方法集めました科学的に元気になる方法集めました感想
【1回目】検査や実験などで効果があると「実証」されている、気分転換や作業の効率化などの方法を38件集めたもの。それぞれの方法についての分量が1~2分程度でサクサクと読め、手軽に実践に移せるものとなっている。実践したいな、できそうだなと思ったのは、1)とにかく身体を動かして行動に移す、2)笑顔を作る、3)姿勢をピンと整える、4)具体的な誰かが喜んでくれることを週に一回程度行う、などであった。Evernoteに目次を書き出しているので、時々見直すようにしたいと思っている。
読了日:09月08日 著者:堀田 秀吾


対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD:問題と障害の正しい理解から対処法、接し方のポイントまで対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD:問題と障害の正しい理解から対処法、接し方のポイントまで感想
【1回目】トラウマ・PTSDは「症状」であり、治療が施されれば回復されるということ、トラウマ体験はとは、それまでの役割から離断される体験であって、回復とは新しい役割を負うことであるという視点が大切であるとされている。人が病み、また、回復するとはどういうことなのかについて、重要な示唆に富んでいる書である。
読了日:09月09日 著者:水島 広子


解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書)解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書)感想
【1回目】文そのものが難しかったということもあるが、それ以上に書かれている内容がリアリティを感じさせるものではなかったという、二重の意味で「難しい」本だった。これを読み始めたきっかけについては伏せておく。単なる「関心」だけでは理解には足らない。臨床的な知見を得たいという熱情がなければ、本書の理解はかなわないと感じてしまった。また、素人がむやみに踏み込む領域でもないとも。当事者や、その親近者が読むべきものかというと、それも難しいのではないかと思った。
読了日:09月12日 著者:柴山 雅俊


LES MISERABLES 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)LES MISERABLES 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)感想
【1回目】ジャン・バルジャンの投獄と出獄、ミリエルとの出会いと回心までを描く。マンガならではの表現を用いた、新井隆広さんの画力に圧倒される。▼ジャンは1769年、ナポレオンと同年に生まれてたんですね。1815年に出獄してミリエルに出会った時、既に46歳という計算になります。それまでの19年間は獄につながれて・・・。憎悪と復讐心に飲み込まれるものの、ミリエル司教の魂に触れ、救われていく様は、コミックならではの表現です。第2巻はファンティーヌの初恋を描くそうです。それも楽しみ!
読了日:09月15日 著者:新井 隆広


それでいい。それでいい。感想
【1回目】ツレうつ細川貂々さんが水島広子さんを訪ねるの巻。元々PTSDうつ病等に効果がある対人関係療法の考え方を、病気ではない人(ここでは貂々さん)に応用しているケースについて学べる。人は対人関係の中の「役割期待のズレ」などから病むゆえ、対人関係の中で、それを改善していくことで癒えていくというのが対人関係療法の考え方。主観的な評価(ジャッジメント)を押しつけられたら、正しく怒り「困っている」ことを伝えてみるなどが役立つと思った。それにしても、私は自己評価が低いんだなと痛感させられた次第。
読了日:09月17日 著者:細川 貂々,水島 広子


LES MISERABLES 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)LES MISERABLES 2 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)感想
【1回目】ジャンの出獄から6年が経った。興した事業が成功し、ジャンは市長にまで上りつめたが、生活は質素そのもので慈善家でもあった。全ては司教との出会いから始まっていた。一方ファンティーヌはコゼットを産むが、テナルディエに預けたあと、ついには売春婦にまで身を落とす。往来で揉め事を起こし、ジャベルに逮捕されかかったところでマドレーヌ市長=ジャンに助けられるが。▼これでもかとファンティーヌに襲いかかる不幸。まさに「惨めな人々」の一人。最も感動的だったのが、馬車の下敷きになった男を救い出してからのエピソード。
読了日:09月18日 著者:新井 隆広


人は、人を浴びて人になる―心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い人は、人を浴びて人になる―心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い感想
【1回目】図書館本。統合失調症の母を持ち、自らも精神を病みながらも精神科医として歩んだ軌跡を語る。決して洗練された文章とは言えない。むしろ、稚拙でさえある。しかしながら、人が病み、そこから回復するとはどういうことなのかを読者と共に考えていこうという姿勢がうかがえる。人は、たとえ一時病んだとは言っても、人との出会いと交流の中で回復していくというのは、著者の信念に近い。「人を浴びて」人生をつなぎ、人間であることに自分をつないでいく。それで必ず病が癒えるわけではないだろうが、人とのつながりは不可欠なのであろう。
読了日:09月20日 著者:夏苅郁子


ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 2018年9月 (100分 de 名著)ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 2018年9月 (100分 de 名著)感想
【1回目】私にはいささか難解であった。14世紀のベネディクト派修道院を舞台として、封印されている禁忌の書が引き起こした謎の連続殺人と言ったら、陳腐になってしまうだろう。著者エーコが仕掛けた幾重もの仕掛けが、読者を「知の迷宮」へと誘う。うん、これも陳腐だ(笑) 要は、私はこのテキストでさえ、十分には読みこなせなかったということだ。
読了日:09月21日 著者: 


レジリエンス入門: 折れない心のつくり方 (ちくまプリマー新書)レジリエンス入門: 折れない心のつくり方 (ちくまプリマー新書)感想
【1回目】レジリエンスとは、簡単に言えば自己回復力のことと思っていただければよい。本書では、何が自分を嫌な気分にさせるのか、レジリエンスを弱める考え方にはどんなものがあるかについてまず説かれており、その後5つのケースの分析をしている。性格とは思考・感情・行動の三つから合成されており、感情は自らで変えづらいため、思考と行動、なかんずく、思考を変えることにフォーカスするのが大切とされている。中高生向けのシリーズなので、期待していた深刻なトラウマからの回復というテーマには言及されていない が有益であった。
読了日:09月23日 著者:内田 和俊


人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)感想
【1回目】ちくまプリマー新書とはいえ、難しかしい内容だった。人は物語を外側にあるものとして求めるのではなく、否応なしに「合成」してしまう存在であるとしているのが印象的だった。それは、わかりやすいストーリーを「捏造」し、世界を理解したい方法で理解するということでもあった。それは一方で生き難さとなるが、それを手放すことも可能であると言っている。すらすら読めたわりには、もやもやするものも残っているので、購入して読み返すのもアリかなと思っている。
読了日:09月24日 著者:千野 帽子


日本再興戦略 (NewsPicks Book)日本再興戦略 (NewsPicks Book)感想
【1回目】私は既に、落合さんを「若い世代」と遠巻きに眺めるような年齢になってしまったが、その世代を羨みながらも「新たな希望」として見出すことができたのは、頼もしくもある。本書では、大切なのは改革や革新ではなく、アップデートであるとされていた。つまり、何がよくて何がいけなかったのかを吟味し、その上でやれるところから実際に手を動かしていくということだろう。「欧米」や「近代」という概念を疑い、そこから今、何が起こりつつあるのかを鮮やかにすくい上げている視座については、お見事としか言いようがなかった。活躍に期待。
読了日:09月25日 著者:落合 陽一


陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)陽のあたる家~生活保護に支えられて~ (書籍扱いコミックス)感想
【1回目】2013年刊行。父親が急病で倒れたことで、生活保護を受けることとなった4人家族の物語。刊行後5年を経ているが、この制度への理解は遅々として進まず、むしろ後退しているようにさえ見える。2018年10月から支給額が下げられたと聞く。生活保護の支給額が下がれば、最低賃金等にも連動するというのに。貧しい、弱いものを分断していると、いつか大きな亀裂がこの社会を襲うことになる。そんなことを考えました。
読了日:09月26日 著者:さいき まこ


学びを結果に変えるアウトプット大全学びを結果に変えるアウトプット大全感想
【1回目】プレゼント企画でいただいたもの。実のところライフハック系の本は苦手だし、樺沢さんの本には好印象が持てないでいる。この本でマネしてみたいと思ったのは、読書等のインプット時間を削ってでも、話す・書く・行動するというアウトプット時間を増やすべきだということ。なんでも、3:7くらいの比率でいいらしいとのことです。
読了日:09月27日 著者:樺沢紫苑


楽園のカンヴァス (新潮文庫)楽園のカンヴァス (新潮文庫)感想
【1回目】いやー、面白かった。こんな本を3年もKindleに死蔵していたなんて、どうかしてるよ。よくぞ読もうと思い立ったもんだ。物語は、アンリ・ルソー作とされる大作の真贋をめぐり、1冊の史料をキュレーターのティムと研究者の織絵が読み進めるという形で進んでいく。全11章の、6~10章あたりは、読む進めるごとに予想を裏切る怒涛の展開で、思わず声が漏れてしまった。挿絵等で作品を全く紹介していないのに、その魅力が伝わってきた。原田さん、すごい。他の作品も読みたいし、原田さんについても、もっと知りたくなってきた。
読了日:09月28日 著者:原田 マハ


心理療法個人授業 (新潮文庫)心理療法個人授業 (新潮文庫)感想
【2回目】文庫本で読んでいたものを、Kindleで再読した。1回目では何もわかっていなかったことがわかった。しかし、2回目でもよくはわからなかった。記述は平明なのだが、話しが深くて、追いついていかなかったのである。私はかれこれ10年近くカウンセリングを受けてきていて、この本を再び手にしたのは、そのカウンセリングが適切なものなのかを検証したいという欲求もあったのだ。しかし、その目論見は「よくわからなかった」ことによって外れたことになった。生徒役の南伸坊さんがクレバーなのに驚嘆した読書だった。
読了日:09月30日 著者:河合 隼雄,南 伸坊

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