【更新停止】読書会は、参加するより主催するのが楽しいですよ

読書全般と、自宅から参加できるオンライン読書会についてのブログです。

【今週の収穫から】:若松英輔特別授業『自分の感受性くらい』(~2018/12/30)

▼詩人の茨木のり子さん(1926~2006年)には、「自分の感受性くらい」という有名な詩作がある。以下に全文を記しておく。

「自分の感受性くらい」

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを

近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ

 

▼この詩を含めて、何篇かの詩を中学生たちと「特別授業」として共に読んだ記録をまとめたものが、若松英輔さんの以下の著作である。

 

▼正式な書名が長いので、ここでは便宜的に『若松英輔特別授業「自分の感受性くらい」』とした。

茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」は、1977年刊行の詩集のタイトルでもある。若松さんがこの詩と出会ったのは、テレビドラマの『3年B組金八先生』だったという。取り上げられたのは、ロングランとなったこのTVシリーズの最初期だったように思うが、私もこの番組を通して知ったのだろうなと思う。そうでなければ、どこで知ったのか思い当たる節がない。

▼本著の構成は以下の通りである。

・はじめに

・第1講:詩とは何か

・第2講:感受性とは何か

・第3講:生きるとは何か

・第4講:言葉とは何か

・生徒と講師、言葉を贈り合う

・詩と出会うためのブックガイド

▼ここでは、「読書メーター」に登録した感想めいたものを引くのみとしておき、さらに読み深めを行えた時に、再度ブログを書き起こしたいとすることでお許しをいただこうと思う。

▼詩は読むだけでなく、自ら「書く」ものであるとする著者が、茨木のり子を中学生と共に読んだ授業の記録である。単なる講義録であるに留まらず、その全編が詩的な言葉で綴られている。言葉として現れない「コトバ」を、「詩」としてすくい上げることは自分に向き合うことであるとされている。たぶん2018年最後の読了本となるだろうが、大きな収穫であった。多くの人に読んでいただきたい1冊である。

▼今回は以上とさせていただきます。お読みいただき、ありがとうございました。