オンライン読書会・読書の宴

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【ノート】岩波ブックレット『うつ時々、躁』(海空るり)を読んで

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▼こんにちは、すたんど(stand_00)です。今回は、読了した岩波ブックレット『うつ時々、躁』(海空るり著)についてレポートいたします。

 

 

 

うつ時々,躁: 私自身を取り戻す (岩波ブックレット)

うつ時々,躁: 私自身を取り戻す (岩波ブックレット)

 

 

読書メーターへの投稿

▼以下は、読書管理サイトである「読書メーター」に投稿したものです。その後で、補足すべき点があれば追記をいたします。

 

著者は1972年生まれで、2児の母である。本著を手にしたのは、私もこの双極性障害の診断を受けているからで、当事者(=患者さん)はもちろんのこと、家族や友人などの近しい人にも広く勧められる内容であった。当事者さんの中には、ここで書かれている内容に「既視感」を覚えるかもしれないが、ご自身の病歴を振り返り、まとめてみる作業には役立つものと思われる。少なくとも、「物を書く」仕事もこなせるようにまで寛解に近づけることもあるというのは「希望」に他ならないと感じた。

 

▼上掲で書いているように、私もこの「双極性障害」という診断名がついている一患者です。ですので、同病の患者さんが、岩波ブックレットに執筆されたと知って、飛びつくように購入しました。購入したタイミングでは、Amazonで一時品切れでして、楽天ブックスで手配をした次第です。

▼「岩波ブックレット」とは、タイムリーな話題について、例えば学習会のテキストなどとしても利用できるような、100ページ未満のことが多いシリーズです。ハンディで廉価、しかも一定のクオリティがある。そうしたシリーズの内に、「当事者」の肉声が付け加えられたというのに感慨を覚えました。

▼以下は、本文とあとがきの間にあるコラム「患者の心得」としてピックアップされている11項目について、自分なりのコメントを添えたものとなります。

患者の心得

主治医を見つける

双極性障害は、それとは気づきにくい病気です。医者にかかり始めた当初では、うつ的な症状の方がより深刻と考えられること、診断上有益となる情報(躁のエピソードと思われるものが、一時的であったにせよ「元気な状態」として把握されてしまうため)を医師に伝えづらいということがあります。そうしたこともあって、主治医であっても診断に困難があり、結果うつ病から双極性障害へと診断を変更させるのに時間がかかってしまうことが多いようです。

しかしながら、うつ病双極性障害とでは、対応の仕方が違ってくるので、正確な診断がされることは決定的に重要です。そのためにも、適切な医療機関にかかり、主治医との間に信頼関係を築くことが大切になってきます。

病歴をまとめる

この本自体が、著者である海空さんの「病歴」を綴ったものとなっています。病歴を振り返り、まとめるのにあたっての良いサンプルとなるのではないかと考えます。

薬物療法を受ける

寛解を目指し、特に躁状態をフラットな状態に近づけるために、生涯に渡っての服薬を余儀なくされるこの病気では、地道な服薬が欠かせません(私は時々忘れてしまうことがありますがw)。主治医と相談しながら、その時々の状態に適した服薬をすることが、主な治療となります。

生活リズムを整える

この病気は、薬物療法が必須ですが、それを補うという点で生活リズムを整えようとすることは有効です。

病気について学ぶ

症状の表れ方は個人差が大きいので、病気についての基本的知識を吸収しておき、そこから病識を深めていくことが望ましいと思われます。

躁うつのコントロール

躁・うつの「波」の表れ方や、何がトリガーとなって状態が変わるのかを把握すれば、「波」の振れ幅が少なくなるようにすることが可能です。

会心理的治療を受ける

症状がある程度落ち着いたら、対人関係-社会リズム療法や認知行動療法なども検討することがよいとされています。

補完代替療法を受ける

本文中では、鍼灸やマインドフルネスなどが紹介されていました。

家族の協力を得る

当事者本人が自覚しきれない躁・うつの変化を、近しい人の協力を得て把握することは有効です。

福祉サービスを活用する

病院や地域の行政サービスへアクセスして、そのサービスを受けることは、「社会性」の保持に有効です。

同病患者との交流

当事者会や家族会に参加することで、同じ診断名を受けている当事者との交流が可能となります。こうすることで、悩みなどを共有することによる「孤立化」を回避することができます。

 

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▼今回のエントリーは、以上とさせていただきます。お読みいただき、ありがとうございました。

 

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